最近また適応教室に通っているようです。|家庭教師日記
田中先生の家庭教師日記

最近また適応教室に通っているようです。|家庭教師日記

高校受験対策

中学3年生男子

学校でのトラブル

中学2年生の終わりから家庭教師をしている英太君の家庭教師です。
2年次は夏休み明けから学校に行けなくなり、不登校の時期もありましたが、適応教室に登校し、3年生からは普通に教室へ通っています。
春休みの宿題も半分以上答えを見ながらですが、期限までに提出して順調な再スタートをしました。

ところが今日、いつもより早くご自宅に着き、車の中で書き物をしていると、お母様がドアをコンコンとノックしました。

家の中では話せないので、外に出てきてくれたようです。
玄関の外で話を聞くと、最近教室に入れていないそうです。

担任の先生から連絡があり、先週の木曜日からまた適応教室に来ているということでした。
理由を聞いても答えてくれず、お母様が問い詰めて、やっと友だちが原因らしいということを教えてくれたそうです。

ただそれから先は言いたがらず、黙って下を向いてしまうようです。

少し早めに部屋へ入ると、いつもと変わらない英太君がいました。
普段通り挨拶もしてくれます。先週の授業は笑いながらできたので、それと比べ、少し疲れている感じがします。
いつもと同じように英単語テストをしたあと、先程の話題に触れてみました。

知られたくなったのでしょう?
その話題に触れた途端、表情が急変しました。
しばらく下を向いて黙っていましたが、少しずつ話をしてくれるようになりました。

理由は、友だちから心無い言葉を言われて耐え切れなくなったからです。
休み時間になると、
「不登校だったこと」や「授業をさぼっていたこと」以外にも「来なくていいよ」の様なことまで連日言われていたようです。

3年生から仲良くなったと言っていました。

たぶん、言っている本人は気付いていないのでしょう。
事実だから仕方ないですが、気付かずに、からかい半分で言っているようです。

黙って聞こえないフリをしていると、日に日にエスカレートしていったようです。

しかし、高校受験があるので、連日の適応教室はよくない状況です。
まだ1学期です。現状では、適応教室は最終手段にとっておきたいと思っています。
この一年間の過ごし方で、休んだ期間のハンディがあっても志望校の選択肢を大きく拡げることができます。
今日は深い話をせず、暫定的に今週は1日だけ教室に入ってもらうように話をしました。

言い返せる性格の子は問題なくても、英太君はそういうことが好きではありません。
抱え込んで、すべての面に影響してしまう子です。
この件を言いたがらなったくらいですから、英太君も苦笑いして平静さを装っていたのでしょう。

もともと不安がいっぱいある中、勇気を振り絞って入った教室。
周りの視線や自分しか分からないプレッシャーの中、逃げずに、なんとか平常心を保っている状況でした。
気疲れしながらも、よく頑張っていました。
先週聞いた時も「疲れるけど平気。」「授業は分かる。」と言っていましたが、今回の件で、すべての緊張の糸が切れてしまったようです。

今日は集中力がなく、1時間だけ授業をして終了しました。

明日、お母様から担任の先生にそっと原因をお伝えしてもらって、一旦、適応教室に通う許可をいただくようにしてもらいます。
また今回の件は、担任の先生が張本人を注意しても、そういう子は大人のいないところで、もっと悪口を言ったり、噂を言いふらす可能性も高くなります。
中途半端に対応すると、一層悪い状況を生むことがあります。

すぐ根本的に解決できる方法はいくつかあります。

しかし、今日の英太君の様子を見ていると深く傷ついています。
ある話をしているとき、途中から目に涙を溜めていたので、すぐ教室に戻ろうと言える状態ではありませんでした。

ゴールデンウィーク明けは新学年を契機に通い始めた生徒が、また不登校に戻りやすい時期の一つです。
ゴールデンウィーク明けから少しずつ再スタートできるように環境を整え、慎重に心のケアもしながら、平常心で通えるように対策するつもりです。

まだこれから様々な壁が英太君の前に現れると思います。
今回の件は、その始まりに過ぎないかもしれません。
これから様々なことで笑うこともあれば、泣くこともあると思います!

一つ一つ、状況に合わせて的確に対処しながら、受験に向けて段階的に体制を整えていくつもりです。
一年後に、少しくらいでは負けない強い心と自信を持てるようになってほしいと思っています。
そのために、まず、いつも笑顔が見られるよう、楽しい授業とやる気を引き出していきます!