R君の大学推薦入試の結果です。|家庭教師日記。
名橋先生の家庭教師日記

R君の大学推薦入試の結果です。|家庭教師日記。

大学受験対策

高校3年生男子

推薦入試対策[合格発表]

家庭教師の名橋先生のサムネイル画像。

教務の名橋です。
今年の大学推薦入試も、今のところすべて合格しているのですが、一人、とても心配していた生徒さんがいます。
 福岡市内の私立高校3年生R君、中学生の時は不登校でした。心根の優しい繊細な子です。
 先週の日曜日に推薦入試が終わり、入試終了直後の電話では、物理が難しく解けない問題がそれなりにあった、と落ち込んでいました。色々あって本命校のみの受験です。

結果は、無事合格でした。

R君の私立大学の推薦合格通知書のサムネイル

R君、志望校合格おめでとうございます!
お母さんから電話をいただきました。ご自宅に合格通知書が送られてきたので、本人はまだ知らないそうです。

思い返すと、知り合ったのは、約3年半前になります。当時、中学2年生終わりのR君は、学校に通っていませんでした。

明日から3年生が始まる春休みの最終日。
「明日から学校へ行った方がいい。」と本格的に話をすると、ずっと下を向いて黙っていました。
R君は突然、私が真剣な話をしたのでビックリしたと思います。あれは、お母さんと相談して、状況を見ながら最終日までに話すと決めていました。だからあの日、お母さんはなかなか帰って来なかったんですよ。

 その後、不登校生の教室に通えるようになり、成績も上がってきたので、1学期の終わりに「内申書が心配だから、2学期から教室に入るか?それとも転校して教室に入るか?」本人に夏休みの課題を出したこともありました。
 結果的に、精神的な負担が大きいので現状維持。その分、学力でカバーしよう!となったのを覚えています。
 今通っている私立高校を専願で受験したときも、ケアレスミスがあったので、今回のように落ち込んでいました。

それから2年。
2年生の終わりから家庭教師を再開することになり、今度は目標校もお母さんや担任の先生と話して決まっています。
高校生になって、随分成長したんだなあ、と感心していました!

ところが3年生に進級すると、
度々お母さんから相談の連絡がくるようになり、3ヶ月過ぎた頃のことです。
「専門学校へ行きたい。」「バイクの免許がほしい。」
どうやら、模試の結果が思わしくなく、気持ちが目の前の受験勉強から逃げる方向へ向かってしまったようです。

電話で話しても、上辺だけの返事をしていたので、R君の高校へ迎えに行きました。
ご飯を食べながら話を聞いていると、お母さんの言うとおり、バイクに憧れている、受験のプレッシャーから逃げたいR君がいました。
第5志望まで書いてみてと言った時も、こちらに気を使ってばかりです。
「全く本心じゃない。」と思いながら、書く姿を見ていました。

本心を質すと、
「模試が良くない。」「友達が○○専門学校の特待生を受ける。」や「原付よりバイクの方に乗りたい。」など、「自分の好きな進路を選びなさい。」と一言でも言ったら、すぐ飛びつきそうな状況です。
その日は、心から「バイクより大学に行きたい」と思えるように、深夜まで話をして帰りました。
その後、担当の家庭教師に話を聞くと、「今は大学受験の勉強がんばる!」と言ってくれているようなので、ひとまず安心しました。

夏休みの終わりに志望校を調整し、模試ではD判定の大学を、一般入試ではなく推薦入試で狙うことにしました。
私大工学系では九州トップ。九大や九工大など国立理系の滑り止めになり、一般入試だと前述の状況では敵いません。

それでも不安があります。
それは、中学時代に理科をほとんど勉強していないという点です。

 詳しくお話しすると、
不登校だったので、理科の授業を全く受けず、私立高校を専願3教科で受験したため、学習経験がないということです。
物理は4月の時点で、限りなく「0」に近い状態、暗記科目ではありません。
あと約6ヶ月。
数学も学内では好成績をキープしていても、模試では悪い結果が続いているのも心配です。
この状況では、「バイクに乗りたい、専門学校でいいや。」と言いたくなるのもよく分かります。

それから時間が経ち、推薦入試2日前。
「なんとなく落ちる気がしない!」と、少し自信のついたR君がいました。
だから、入試終了直後の電話は、お通夜のように暗かったです。

また勝手に落ちたと思い込んで結果は逆でしたが、R君、感想はどうですか?
中学から色々あったけど、今までの自分にリベンジできたかな?
なんだかんだいって、今までの受験、すべて受かってしまいました。
これからは誰と会っても、堂々と自分のこと、話せそうですか?

また一歩、夢へ近づけましたね。
大学では単位を落とさないように、勉強とその他のことを両立しないといけません。
無駄な学費を使うゆとりは、どこの家にもありません。
理系だから、希望の研究室に入り、必ず大学院にも進学し、憧れのメーカーを目指してください!
これからもR君の成長を楽しみにしています。時間が空いたら家庭教師もしてね。

最後になりますが、
お母様、R君の志望校合格、心よりお祝い申し上げます。
また今まで大学生の家庭教師がお世話になりましたこと、誠に感謝しています。

 ご就職まで、まだ気を抜けない日が続くと思いますが、心の平穏な日々が訪れることを心よりお祈り申し上げます。
今はまだ我がままでも、R君なら将来、必ず親孝行してくれると思います。
R君も、今までお母さんに沢山迷惑かけてきたんだから、これからは孝行息子になってね。
就職したら、旅行に連れて行ってもらうのではなく、お給料で連れて行ってあげてください。

まだ推薦入試は続いています。
今週、推薦入試本番の生徒さんたち、後先は考えずに、目の前のことを精一杯頑張ってください。
内容が伴っていれば、結果は後からついてきます。
ベストを尽くしましょう!