気持ちが変われば、理解度も変わります。|福岡の家庭教師日記
名橋先生の家庭教師日記

気持ちが変われば、理解度も変わります。|福岡の家庭教師日記

大学受験対策

高校3年生男子

推薦入試のご相談

家庭教師の名橋先生のサムネイル画像。

こんばんは、教務の名橋です。
この時期になると、受験生やご父兄様から志望校のことや生活状況のことなどについて、ご相談をいただくことが多くなりました。
特に高校生になると、お父様やお母様が将来を心配して、注意したり意見をしても、変化が見られないという場合も多くなります。

先週の水曜日、大学受験を控える福岡市の高校3年生、YU君と話をしました。私が家庭教師をしている中学3年生の子のお兄さん。12月に理系学部の公募推薦(自己推薦)を受験する予定の、残り2ヶ月を切っている生徒さんです。
お母様のお話を総合すると、部活を引退しても、あまり生活に変化がないようです。2学期から大手の塾に通い始め、放課後から終電の1本前まで頑張り、いつも帰宅するそうです。

最近は塾も一段落したらしく、帰りのご挨拶の際、よくYU君を見かけます。
しかし、勉強している姿を一度も見かけないことがありません。毎日のように塾で夜遅くまでしているから、と思っていました。
帰りがけにたまたま本人と話をしていると、「ダメだったら一浪すればいいし。」と、冗談とも本気とも取れるようなことを言っていました。

実は、私も高校3年生の1学期、食事中に同じことを言って、父を大いに怒らせてしまったことがあります。
公立2番手くらいの進学校だったのですが、クラスの半分以上がそんな雰囲気でした。

私も英語が苦手だったので、実際に受験勉強を始めると、してもしても、覚えることばかり。自分の勉強不足を痛感したことがあります。
ある国立大の長文1題を解釈して解答するのに、6時間以上かかったこともあります。夜始めて、終わったのは明け方でした。
日が経つと、自信がつくどころか、気持ちばかり焦り、センター対策や得意な数学物理にまで悪影響が出始めていました。

YU君も似たような状況だと、お母様の話から感じていました。

それは、冗談で言っていたことが頭の隅にあるから?
または、元々マイペースだから?

どちらにしても残り2ヶ月という状況で、今までの会話からも必死さが伝わってきません。
ご両親は家計をやりくりして、塾の費用、数十万円を用意したのにです。

YU君は高校入学後、持病が悪化し、部活を一時休部したり、学校も遅刻早退を頻繁にする時期があったようです。
その後エスカレートし、学校を辞めたい、ダメなら留学したい。と言った時期もあるようです。
それから比べれば、辞めたいと言っていた部活も最後まで続けることができ、1年生の2学期、多くの欠点科目からここまで進級してきました。
ご両親や先生方のご尽力は、計り知れません。キッカケは周囲が作ったとしても、最終的に本人の気持ちが変わったから、受験の話まで出来るようなったと思います。

今の本人は。。。

現状を把握するため、最近塾で教わった英語の確認をしてみました。
no lessなど、比較の基本問題です。

結果として、塾の授業を聞いているだけで、覚えたり、理解している訳ではありませんでした。
「二重否定」という用語は残っていても、使い方を理解していません。
質問して、初めて塾のテキストを真剣に読み返してるように見えました。

私は「ない✕ない=ある」と覚えてもらい、あとは他の文法とこう置き換えるということを10分位説明しただけです。
次の日、念のため、電話で質問してみると、的を得た答えが返ってきました。簡単に教えただけでも覚えてくれています。何の問題もありません。

「一体、学校や塾で何をしているのだろう?」と、思います。

高校3年生の学校で使っている問題集

YU君の受験する学科は、英語と数学ⅠA・数ⅡBが課されます。推薦入試は、センター試験程度で、英語はすべて選択問題、難問奇問もなく基本的なレベルで十分合格ラインに達します。
私大一般や国公立2次を受験する生徒さんから見ると、科目数も少なく基本的な問題であっても、YU君には難しく見えていることが心配です。

もしかすると、大学へ行きたいと言いながら、学校や塾の授業を真剣に聞いていないのではないのか?
ならば何故、推薦入試で英語のある大学を志望したのか?
担任の先生から指定校推薦の可能性があると言われ、間に受けてしまったこと。やる気を失わさせないための可能性というお話で、元々その大学の理系枠は、数Ⅲや物理のない文系クラスからなかったのでは?
色々な疑問が湧いてきます。

その後、話し合いをしていると、無計画過ぎること、一浪でもいい気持ちがどこかあること、本当はどこの大学でもいいということが言葉や表情から伝わってきました。
それなら、そう言えばいいのに、元来優しい子です。
言い出せず、授業を受けて分からないところを増やして帰ってくる。自宅でも復習せず、付いているテレビをなんとなく見て寝る。そんなことを1ヶ月間繰り返していました。

これでは自信もなくなり、諦めに似た心情になるのも自然の流れです。
このような状況で2ヶ月過ごすより、とことん話をして、明日から同じ1時間勉強するとしても、実のある時間にしてもらおうと思いました。

気持ちが変われば、学習内容も理解度も変わります!

中学3年生の妹さんがそうでした。
1学期の期末テストで社会は9点でしたが、今回は73点です。書く欄を1段ずつ間違わなければ82点でした。家庭教師が教えたにせよ、本人の意識が変わったことが大きかったと思います。

一浪すればいいという気持ちは捨てて、今自分にできることをすべきだということ。
YU君はアレコレ考えすぎず、もっとシンプルに、今、目の前にある塾の勉強をすべきだということ。
嫌々勉強するなら、しなくてもいいのではないか?大学だけがすべてではないと思う、ということ。
そのほか色々なことを話しました。

それから4日過ぎ、今日は日曜日です。
夕方、YU君に連絡をしてみました。
中間テストの勉強と数ⅠAを勉強していたそうです。元気な声だったので、安心しました。

YU君にとって、これからが本格的な受験勉強の開始です!
9月の1ヶ月間は、このための準備期間だったと思っています。

失敗は成功のもと。
同じ失敗を繰り返さないように、実のある勉強をしていきましょう。
「今日も一日、自分なりに精一杯した。もうこれ以上、今日は無理!」と思えるくらい残り2ヶ月間、一日一日を大事に過ごしてください。

お父様も、お母様も、お祖母様も、ご兄弟も、塾の先生も、担任の先生も、顧問の先生も、みんな応援しています!
私も妹さんの授業がある日は、煙たくても声をかけさせていただきます。
さあ、本気を出してみよう!!