偏差値マイナス20からのスタート!目標は県立進学校!!|家庭教師日記
高校受験対策
中学3年生女子
会場テストの結果と対策
「塾に行ったけど、何も意味がなかった。」
今日の授業の始まりはこの言葉からでした。
がっくりと肩を落とし、私の目をまっすぐ見ない実来ちゃんに何かあったことはすぐにわかりました。
どうしたものかと思いながら、今日はスロースタートすることにしました。
実来ちゃんは最近会場テストを受けました。
その結果が過去最低だったというのです。
夏に遊びに遊んだ結果が今になって出てきたと言うところでしょうか。
そんな実来ちゃんは、第一志望の高校の名前を最近言いません。
「私、G高校でもいいかも。いや、それも危ないならS高校でいいかな。」
なんてこともよく聞きます。
黙って聞いていましたが、そろそろこの時期かなと思い、矢田は今日とても強くしっかりと矢田の気持ちを実来ちゃんに伝えることにしました。
「今から言うことは流して聞いてもらっても構わないし、しっかり聞いてもらっても構わない。だから勝手に話すね。」
「私はね、実来ちゃんがK高校に行きたい、先生私頑張るからよろしくお願いしますって言ってくれたから今教えに来てるのね。
でも実来ちゃん、今どこの高校に行きたいって言った?
G高校でってなに?私はそんな話聞いてないぞ。
実来ちゃんはどこの高校に行きたいの?正直に言ってごらん。笑わないし誰にも言わないから。
自分の気持ちを言うことのどこが恥ずかしい?もしK高校に行きたいって思ってるなら、私と一緒に頑張ってよ。私もがんばるからついてきてよ。」
「私もここまで言うと、自分の首を締めてる事だってわかってるんだよ。もし合格させられなかったら、それは私の教え方が悪かったに違いない。そのために実来ちゃんが第一志望の高校に合格できなかったら、私はどれだけ悔やむか分からない。それは嫌だし、何より実来ちゃんが合格発表で泣くのを見たくないの。」
「私の生徒になったからには必ず合格させる。私はそう決めて覚悟してやってるの。もしその気持ちがわかるなら、今からでも十分遅くない。これが最後のチャンスだと思って私についてきて欲しい。精一杯サポートするから、一緒に前に進もうよ。もし実来ちゃんがやる気もない、宿題もしない、そんな感じが続くなら、私はもう来れないよ。力になれないんだからお給料も受け取らないし、私の力不足だって思うよ。実来ちゃんはどうなの?」
つらつらと一気に話しきって、ふと実来ちゃんの顔を見ると、今までに見たこともないような顔をしていました。
泣きたいのに驚きのあまり涙も出ないというような表情。
言い過ぎたかと思いましたが、これが最後のチャンスで、矢田の気持ちを伝える最後にしようと決めていました。
もしこれで実来ちゃんが私についてきてくれないのなら、それは私の完全な力不足だと思います。
精一杯の私の気持ちを、実来ちゃんは受け止めてくれるでしょうか。
少し心配です。
でも矢田は決めたのです。
絶対に何があっても、実来ちゃんを第一志望の高校に合格させると。
矢田は今よりももっと家庭教師として力を発揮できると思います。
今までにないくらいの力で実来ちゃんを引っ張っていこうと思うと、あふれる気持ちに胸が苦しくなるくらいでした。
矢田が諦めたら最後です。
絶対に何があっても負けませんからね!!