おめでとうの一言のあと。|家庭教師日記
矢田先生の家庭教師日記

おめでとうの一言のあと。|家庭教師日記

高校受験対策

中学3年生女子

休憩中のお話

家庭教師の矢田先生のサムネイル画像。

今日は実来ちゃん中間テストの解きなおしに行ってきました。
実来ちゃんはずば抜けて成績が良いというわけではありません。

勉強に関しては、こつこつ型で基礎はしっかりしていますが、応用力と自分の出した答えに対する自信がもてないため、70点の壁をなかなか破れずにいます。

「こつこつ型」と「天才型」については他のカテゴリーで説明しておりますので、ご覧下さい。
自分の生徒がこつこつ型なのか天才型なのかによって、勉強の教え方が全く違って来ますので、参考程度にお読み下さい。

今日はそのことよりも、もっと大切なことを書きたいと思っています。

今日、実来ちゃんは私の前で泣きました。
何も言えず、ただ泣きながら、「うん、うん。」と声に出さずにうなずいていました。

自分が精一杯の努力をして、これ以上できないというくらい努力して、
結果が出ないときに、

親友が、学校で1番の成績を取りました。

「おめでとう。すごいことだね。」

これが、あなたは言えますか。
私はこんなことを聞いたことがあります。

「本当に大切な友達なら、自分が辛くて辛くてたまらないときにでも、友達が努力して手にした結果をちゃんとほめなければいけない。それは胸が張り裂けるようなことでも、強さなんだ。」

私はこの言葉を高校のときに理解しましたし、実際に体験しました。
私も勉強はこつこつ型です。

友人が、学校で3番になりました、そのとき私はとてもひどい結果でした。
でも今回はいい結果が出せるぞと自信満々で受けたテストだったので、落ち込みました。

「やっても、だめかも・・・。」

そんなときに友人の結果。

「おめでとう、すごいね。」

そう言って、部室で放課後泣きました。

親友が、学校で1番の成績を取りました。
そのときのことを実来ちゃんはこう話してくれました。

「私は今回、今まで以上に勉強してきました。」

でも68点でした。

あんまりにも悲しかったので、親友に話して少し楽にならないかって思ってクラスに遊びに行きました。
そしたら450点超えたっていきなり言われて、何も言葉が返せませんでした。
だから私にこにこ笑って、自分の教室に帰りました。

お家に帰ってお母さんにテストを見せたとき、なんだか涙が出てきました。
お友だちはすごいのは分かるし、すごいねって言ってあげたいんだけど、胸がぎゅっとなって言えなかった。
そんな自分が嫌だったし、そうしていいか分からなくなりました。」

と。

「おめでとう」が言えなかった実来ちゃんは、ひどいでしょうか。

そんなことはありません。

大人のでさえ、「おめでとう」が言えない人はいます。
それどころか、相手を陥れるために何か企む人、いますよね。
実来ちゃんの気持ちを、昔、持っていませんでしたか。

私の勝手な考えで、甘いとは思いますが、大人になっても実来ちゃんの気持ちを理解できるような人間でなければいけないと思います。

この日は2時限授業の1時限目は実来ちゃんの話を聞き、楽しい話で気分を和らげるものになりました。
予定の授業内容のところまで進めませんでしたが、その日の夜、実来るちゃんからメールが来ました。

「先生今日は泣いてごめんなさい。とっても辛いから今日1日は落ち込みます。でも明日からはまた今まで以上に勉強頑張ります。
だから先生、辞めないで勉強教えてください!!日曜日先生が来るの楽しみに待ってます☆
先生大好き(≧▽≦)」

矢田は思いました。
「よし、やるぞ。」