福岡県立高校の一般入試学力検査の得点率平成28年度数学追加問題
数学の追加問題は、筑紫丘高校・明善高校・嘉穂高校の各理数科で実施されました。試験時間30分で30点満点、全体の得点率は約38%です。
学力検査2時間目の数学と比べ、難易度が高くなります。普段から文章題・関数・図形などの応用発展的な問題の考え方や解き方に興味を持って取り組むことが大切です。考え方や解き方を一つ一つ勉強しながら、基本的な公式や定理を使って的確に答えを出す練習もしておくと効果的です。追加問題のある学科を受験する生徒さんは、いろいろな問題にチャレンジしながら、応用発展的な問題の考え方や解き方を身につけましょう。
数学追加問題の大問の得点率
昨年度の大問1は、2次関数のグラフをもとに、確率や四角形の面積・条件に合う三角形の面積比から2次方程式を使って座標を求める問題が出題され、得点率は約41%でした。大問2は、正三角形をもとに、相似の証明や面積比・面積を求める問題が出題され、得点率は約36%です。
大問1から大問2(1)までの4問に比べ、大問2(2)(3)の2問は、補助線を引くなど答えを出すまでにいくつかの工夫が必要です。30分間で記述を含む6問を解答するなど、普段の学習内容が結果に表れやすい科目なので、入念な準備をしましょう。下記表の得点率は、すべて約●%で表しています。
数学追加問題の小問の得点率
数学追加問題の小問は、大問1・2ともに3つずつ出題されます。大問1(1)は、さいころの出た目を条件にしたがって2つの2次関数の式に代入し、χとy座標がともに整数になる確率を求める問題です。得点率は約61%でした。大問1(2)は、(1)と同じようにさいころの出た目をグラフ上に表し、点と点を結んだ四角形の面積を求める問題です。得点率は約44%でした。大問1(3)は、さいころの出た目と点Pを結んで三角形を作り、そこから条件にあった点Pの座標を求める問題です。解く過程も記述する形式になり、得点率は約31%でした。
大問2(1)は、相似な三角形の証明問題です。正三角形の性質を利用し、一旦合同な三角形を証明したうえで、2つの三角形の相似を証明します。得点率は約61%でした。
(2)は、三角形1と四角形の面積比の問題です。不規則な四角形は同じ面積になる三角形2を探すことが重要です。(1)で求めた合同な三角形から、三角形2を見つけることができます。三角形1・2は、ともに点Cを頂点とする底辺が同一線上にある三角形です。底辺の比が分かれば、答えを出せます。底辺の比は、三角形1・2を分ける辺と平行な線を引き、線分比を利用して求めます。得点率は、約26%でした。
(3)は、三角形内の三角形1の面積を求める問題です。まず線対称な三角形を利用することから考えます。すぐには解けなさそうなので、その三角形の1点から補助線を引いてできる三角形2が、三角形1の2倍になることに注目します。三角形2の高さは、仮定にある辺の長さから三平方の定理を使って求めることができます。三角形2の底辺は、平行四辺形の性質を利用すると、正三角形の1辺と同じ長さになることが分かります。あとは三角形2の面積に1/2をかけると、三角形1の面積を出すことができます。得点率は約11%でした。
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