リベンジです。|教務室の家庭教師日記
名橋先生の家庭教師日記

リベンジです。|教務室の家庭教師日記

教務室から

先生の話

大学受験の生徒

家庭教師の名橋先生のサムネイル画像。

こんにちは、教務の名橋です。
また一つご報告があります。

火曜日に家庭教師の先生を同行して、高校3年生の生徒さん宅へ行ってきました!
名前はT君。前回家庭教師に登録してくれた大学生のT君とは別の子です。

3年前、高校受験で指導をさせていただいた生徒さんです。
今日と明日が高校の中間テストなので、その理系科目の直前対策でお伺いしました。

今回、T君の大学受験対策をするにあたって、私自身、深く期するものがあります。

T君は、3年前、公立高校に3名不合格者を出してしまったうちの一人です。
その2年前から経営陣と話し合い、指導力強化のため、ご紹介以外の新規の生徒募集をほぼすべて停止していました。在籍する生徒さんの指導内容改善と管理体制強化を図り、費用対効果と第一志望合格率の向上を目的としたためです。その前年までは生徒数がどんどん増える分、合格率が下がり、安かろう悪かろうになっていたからです。赴任した私としても首をかけた社内改革でした。

今でも覚えているのですが、T君は夏休みからある個別指導塾に通い、冬休みに成績が急降下したことが不合格の主因でした。
昨年度(今年3月)の全受験で1名不合格者を出してしまいましたが、その子も教室は違いますが、やはり同じ塾でした。
(なんで個別とはいえ、集団教育の現場で、授業中にスマホしても軽い注意程度、ものを食べながらしてもいいのか?よく分かりません。その子は塾のご友人と夜遊びと喫煙をするようになってしまい、補導もされてしまいました。←それを止められなかった私の責任でもあります。すみません、愚痴です。お許しください。)
同じ年、補導暦のある生徒や内申書の悪い生徒さんたちも公立高校へ合格したので、尚更ショックが大きかったことを覚えています。

その当時の私は、T君が3年生の5月に学校の英単語テストで94点を取り、期末テストでも少しずつ総合点が上がっていたので、夏にがんばれば公立も大丈夫と思っていました。
通塾後も土日の帰りがけにカラオケへ行くようになってしまった以外は、「楽しい。」と、言っていましたし、暗記特訓など講座も豊富なので、期待感がありました。
夏休みだけという予定でしたが、家庭教師を週1回に減らしても休み明け実力テストでは成績が上がり、塾のフォローに回ることになりました。

その後だんだん成績が下降してきましたが、本人は「がんばる。」と、言っているので様子を見ていました。
11月の学校三者面談で公立高校が難しくなり、家族会議の結果、私立専願ではなく一般に志望校が決定しました。

冬休みに入ってすぐ過去問題を解いてもらい、合格まであと20点取れば問題なしという状況で、塾の合宿へ送り出しました。
合宿後、すぐ、確か12/29か30だったと思います。担当教師から報告をもらって愕然としました。
合宿に行く前あと20点で合格、合格率にすれば70%という状況だったのが、帰ってきて過去問題をしてもらうと合計得点が前回の半分以下になっています。私の目測では、合格可能性10%前後になっていました。
1日考えて、12/31にお母様と今後どうするか電話でお話し合いをしましたが、結論が出ず、「あと15分で新年ですね。」と、言ったことを覚えています。

その後、私が私立専願というと、塾では一般で大丈夫、結果は不合格。
後期試験で私立合格。
公立一般入試は、私がここならと提案した学校も、本人は塾の勧める学校を受験し、不合格。

お父様お母様もこちらの意見に耳を傾けてくださるし、生徒本人もマイペースですが、いい子だったので、ご家族やご本人に残念な思いをさせてしまい、大変悔やみました。

敗因は、私に確固たる信念がなかったことです。 他の方がそのお立場で勧める学校や本人に対する根拠のない期待感など、私が「もしかして・・・。」と、その場その場で妥協してしまったことが原因です。
今思えば、私もある程度塾で教えた経験があるので、合格数に触れない塾の内情は分かっていたつもりでしたが、希望的観測が強すぎました。

あれから3年が経ち、新規募集も昨年9月から再開し、合格率も人に言えるところまできました。
ご父兄様には、今回リベンジの機会を与えていただき、心より感謝しています。
何があっても3年前のように妥協することなく、状況分析を的確にし、誠心誠意指導にあたる所存です。

そして今回、T君の成長を垣間見ることができました。
久しぶりだったので、学校のことなど聞いていると、自分から志望校のパンレットを用意してくれていました。
以前ならご両親や私が志望校の話をしても、他人事だったのが、「先生、これパンフです。」と持ってきてくれます。
受験科目にマーカーもしてくれていました。

正直驚きました。

中学生の時は、私を煙たがって逃げ腰だったのに、今では自主性が見受けられます。
お父様お母様はまだまだと言われていましたが、この大学に行きたい!ということが、言葉数が少なくても伝わってきました。

そういえば、 3年前、成績が伸び悩んでいる時期、時間が空いたので突然寄り道をさせていただいたことがあります。
担当教師から置き勉が直らず、指導に支障をきたしていると聞いていたので、学校のバックを開けてみると、部活の道具以外、何も入っていませんでした。筆箱もありません。
大抵のことに慣れている私も唖然としてしまったことがあります。
しかし、今では必要な勉強道具をすべて持って帰ってきてくれています。
教わりたいところも開いてくれています。

内面だけではなく、いつの間にか背丈も抜かれて、外見もイケメンになってきたT君です。
来年の今頃は合格していれば、花の大学一年生、青春を謳歌している頃です。
そのための高校3年生。
有意義で実のある一年にしましょう。

私自身は、3年前のリベンジをするため、教務責任者として、できることをすべてします。
イニシャルだと途中まで同じなので実名で書きますが、理系担当の九大薬学部の人見先生、文系担当の九大法科大学院の日野先生、ともに目標校に対し人柄も含めて、一番良い人を選んだつもりです。以前教えていたT先生も就職が内定したので落ち着いたら臨時で来ることもできます。
T君の受験体制は整いました。

あとはするだけです。

なりたい自分になるため、この一年間、目標に向かってがんばりましょう!

1年後、合格して、この長い文章を読む機会があったら、「こんなこともあったなあ。」と、笑って言えるくらい、ゆとりがある自分になっていましょう。