福岡県のスーパーサイエンスハイスクール

福岡県のスーパーサイエンスハイスクール

福岡県のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)は、県立香住丘高校・小倉高校や城南高校など現在7校が指定を受け、各校独自の研究課題に取り組んでいます。昨年度に指定期間を満了した県立八幡高校も有意義な活動を行っています。また過去には、修猷館高校や私立明治学園高校が指定を受け、指定期間を満了しています。

SSHでは、理数系の科目について、文部科学省の定めた学習指導要領の科目領域にこだわらず、学校独自の科目を設定し、教育カリキュラムの開発・研究をしています。また国際性を高める取り組みや高大連携や研究機関・民間企業との連携も積極的に行い、未来を担う科学技術者の育成を行います。

理数系科目や理系英語、特に理科に興味や関心のある生徒さんは、先進的な実験体験や見学、科学技術分野の人たちと接する機会など、通常の教育課程では味わえない高度な学びの機会が数多く設けられています。その活動内容に注目し、受験を検討してみてください。

スーパーサイエンスハイスクールって何?

ここ20年くらいの間、ゆとり教育の頃を含め、学生の理数科目の学力低下と興味関心の薄さが顕在化しました。しかし、世界では情報通信(IT)技術の発達と普及により、科学技術・産業技術などの飛躍的な発展と成果が生まれ、このままでは将来、国際競争の舞台で埋没していくという危惧が景気の閉塞感とあわせて国内に拡がっていました。また同じ頃、ユネスコでも世界的な理数系教育の有意性が唱えられていたので、平成14年度に科学技術系分野の将来を担う人材育成を目的として、高校でも理数系教育を重点的に行うスーパーサイエンスハイスクール(Super Science Highschoolを略して、SSH)が誕生しました。

国際競争に負けない「科学技術立国ニッポン」の復活を目指し、学習指導要領の枠を超えて、より国際的で発展的な理数教育を高校で受けることができます。充実した学習環境の中で、深く理系科目を学ぶことができるSSH指定校は、お子様の身近にもあります。

年々増えるSSH指定校数

年度新規・継続などの校数全国の指定校総数
平成28年度 「新規指定」(指定期間5年)
希望74校のうち、開発型6校・実践型18校の計24校内定
「科学技術人材育成重点枠」(最長期間3年)
希望24校のうち、10校内定
未発表
平成27年度 「新規指定」(指定期間5年)
希望63校のうち、開発型1校・実践型24校の計25校内定
「科学技術人材育成重点枠」(最長期間3年)
希望24校のうち、5校採択
203校
平成26年度 「新規指定」(指定期間5年)
希望41校のうち、開発型4校・実践型5校の計9校内定
「科学技術人材育成重点枠」(最長期間3年)
希望20校のうち、4校採択
204校
平成25年度 「新規指定」(指定期間5年)
希望58校のうち、開発型27校・実践型16校の計43校内定
201校
平成24年度 「新規指定」(指定期間5年)
希望97校のうち、開発型35校・実践型38項の計73校が内定
「コアSSH採択校」新たに25校を指定(計34校:既存校含む)
178校
平成23年度 「新規指定」(指定期間5年)
希望89校のうち、開発型20校・実践型18校の計38校が内定
「コアSSH採択校」新たに20校を指定(計29校:既存校含む)
145校
平成22年度 「新規指定」(指定期間5年)
希望71校のうち、開発型19校・実践型17校の計38校が内定
「コアSSH採択校」21校を指定
125校
平成21年度 「新規指定」(指定期間5年)
希望35校のうち、開発型7校・実践型2校の計9校が内定
「重点枠」希望22校のうち、9校を指定
106校

スーパーサイエンスハイスクールの構図

文部科学省からSSHの指定を受けた高校では、各校それぞれの作成した計画に沿って、独自のカリキュラムによる理数授業や大学・研究機関・地域などとの連携、国際性を高める取り組み、SSH生徒研究発表会など、さまざまな活動を行っています。生徒は、机上の理数学習に偏らず、創造性・独創性を育むような課題研究に積極的に参加します。いろいろな体験を通して、さらに興味関心が増し、直近の大学や学部選択、将来の夢や職業など、成長期の生徒に大きな影響を与えてくれることが想像できます。

福岡県のスーパーサイエンスハイスクール指定校

福岡県では、県立地区トップ校や理数科・理数コースを設置する高校を中心に、現在7校が指定期間中です。学習指導要領にこだわらないカリキュラムの開発など、各校それぞれ独自の課題研究に取り組んでいます。

福岡県のSSH指定校一覧

高校名学区学校設定科目など指定期間
小倉高等学校
北九州市小倉北区
普通科(第2学区) 「特色のある学校設定科目」では、1年生全員がSS情報物理・SS基礎化学など学び、2年生理系は、SS有機無機化学やSS物理ⅠⅡなどを学びます。
「科学に関する指導方法の研究」発展的学習内容と多くの実験・観察・科学の英文学習や外国人科学者との交流などから応用力・科学的思考力・国際性の修得を目指します。
「体験学習プログラム」では、1年生「環境」・2年生「先端技術」をテーマに校外で学びます。
「SS研究会」では、大学と連携し、高いレベルの研究を行います。
平成27~31年度
東筑高等学校
北九州市八幡西区
普通科(第3学区) 「特色のある学校設定科目」では、トータルロジックス・トータルサイエンスⅠ・イングリッシュキャンプなど学校独自の科目を設定し、論理的思考力や表現力の充実・英語による科学実験の体験など、さまざまな生徒の育成を行っています。
また高大連携・国内ジニアス研修では、先端技術の研究を体験・見学し、国内にとどまらず、希望者には海外ジニアス研修も行っています。
平成25~29年度
香住丘高等学校
福岡市東区
普通科(第4学区)
数理コミュニケーションコース
(福岡学区)
科学的に「探究する力」・「伝え合う力」の育成法と能力評価法の研究開発Ⅱ
「特色のある学校設定科目」では、SS科学探求ⅠⅡⅢ・SSグローバルスタディーⅠⅡ・情報教科の中でSS数理情報・英語教科の中でSS科学英語(プレゼンテーション・リーディング・ライティング)を学びます。
また発展的な実験や大学などと連携・国内外研修を通じて、生徒を育成しています。
平成28~32年度
城南高等学校
福岡市城南区
普通科(第6学区)
普通科理数コース
(福岡学区)
海外理数系教育の重点校と連携
「特色のある学校設定科目」では、全生徒がSS環境科学・SS地球科学・SS情報統計を履修し、さらに理数コースでは、サイエンスリサーチⅠⅡを学び、実験方法・英語による科学技術分野の高いコミュニケーション能力を育成しています。
「探究心の育成研究」では、九州大・長崎大・海外大学などと連携し、観察実習などの体験を通して、探究心の育成に取り組んでいます。
「国際性の育成」では、ドリカムサイエンス講演会・海外とテレビ電話による講演会・海外キャンプなど様々な活動を通じて、生徒の国際性を高めるとともに高い国際コミュニケーション能力の育成を行っています。
平成27~31年度
明善高等学校
久留米市
普通科(第8学区)
理数科(筑後学区)
「特色のある学校設定科目」では、STL統合を開講し、課題解決に必要な知識・技術応用・などを学び、社会に貢献できる人材の育成を目指します。
「国際性の育成」普段から国内外の科学技術に触れ、国際社会に貢献できる人材の育成を目指します。
「探究心の育成」大学・企業・研究機関と連携し、高度な科学技術体験をすることで探究心を高めます。
平成24~28年度
嘉穂高等学校
飯塚市
普通科(第12学区)
理数科(筑豊学区)
理数科の「特色のある学校設定科目」は、エネルギーや環境・災害を学ぶアースサイエンスⅠⅡ・資源開発の一般教養を学ぶ総合科学リテラシーⅠⅡⅢの5科目を学習します。
また大学や地元企業・研究機関と連携した高度な課題研究を行い、さまざまな体験を通じて生徒の探究心を高める教育を行います。
平成28~29年度
鞍手高等学校
直方市
普通科(第13学区)
理数科(筑豊学区)
「特色のある学校設定科目」では、普通科SS地球環境学・SS情報コミュニケーション、理数科のSS物質環境科学・SS総合コミュニケーション・全学年を通じてSSH講演会・学部学科研究等を行い、生徒の興味関心を向上と知識を活用したり、科学的な思考力などの育成に取り組んでいます。
「発展的な課題研究」では、大学・企業・研究機関と連携し、先進的な技術や分野に触れながら科学的な実践力・論理性を育成します。
「国際性」諸外国の人たちと議論をするために必要なコミュニケーション能力・環境等の倫理観社会性などの育成に取り組んでいます。
平成24~28年度

福岡県の過去にSSH指定を受けた高校

福岡県では、SSH元年の平成14年度に県立修猷館高校が指定を受け、平成20年度には明治学園高校が県内で私立初指定校となり、無事その期間を満了しました。昨年度には県立八幡高校も指定期間を無事満了しました。

福岡県の過去のSSH指定校一覧

高校名学区指定年度
八幡高等学校 普通科(第3学区)
理数科(北九州学区)
平成23~27年度
明治学園高等学校 私立中高一貫校
学区なし
平成20~24年度
修猷館高等学校 第6学区平成14年度

更新日 UP